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【開催報告】ママドラフト会議®for KYUSHU Island

2021年1月26日、第16回目となるママドラフト会議®「ママドラフト会議®for KYUSHU Island」をオンライン開催いたしました。「ママドラフト会議®」のこれまでを踏まえつつ、当日の様子をレポートいたします。

 

◆「ママドラフト会議®」~これまでの参加企業数は381社、登壇女性の総数は127名!~

ママドラフト会議®とは、働きたい女性と企業をつなぐスピーチイベント。「結婚や出産の後に再び働きたくても、以前のようにやりがいのある仕事を、どう見つければいいか分からない」といった不安を抱える女性の一歩を踏み出すサポートをすべく、2014年にNPO法人ママワーク研究所が始めた取り組みです。
結婚や出産による離職を経て再就職の機会を探る女性人材と、企業の出会いを創出する新しい採用スタイルで、今回はコロナ禍だからこそ、県境を越え「ONE九州」としてママ人財・企業を繋ぎたい。働きたくても具体的な行動に至らない潜在就労女性を今こそ新たな社会の担い手として活かせればとの想いを込めて「ママドラフト会議®for KYUSHU Island」を企画いたしました。
リアル会場での会社説明会や合同説明会が中止され、企業と人財の「出会いの場」が失われつつある中、オンライン開催を妥協策でなく「双方にとってより効率的・効果的な求人イベント」として展開した当日の様子をお伝えいたします。

 

 

◆総勢100名以上のご参加をいただきました!

当日は、九州全域からエントリーしたママ人財29名と、テレワークなどの希望に応じた雇用を検討する九州に拠点をもつ20の企業、またその様子を体感したいという関係者・メディア取材等オブザーブを含め総勢100名余りが一同に集いました。

 

 

◆ご協賛企業のリンクトイン・ジャパン様と応援団長を務める村岡氏よりご挨拶

まず、当イベントのご協賛企業であり、事前のスピーチ練習でもあたたかなフィードバックを届けてくださったリンクトイン・ジャパンのマラカド・ガレル様からご挨拶を頂戴しました。同社はビジネスに特化した世界最大のSNSで、世界中のプロフェッショナルの仕事とキャリアを支援することをミッションに掲げています。ガレル氏は「会社としても一個人としても、“子育てをしながら自分らしく働きたい女性”をサポートするママワーク研究所に大変共感しました。登壇者のみなさんは、多くの努力と勉強を重ねてきており、働く意欲と情熱にあふれています。参加企業のみなさま、あたたかく見守ってください」とママたちに寄り添ったメッセージを届けてくださいました。

 

続いて、当イベントの応援団長・株式会社一平ホールディングス代表取締役社長 村岡浩司様からは「九州をひとつの島として捉えた取り組みだと思います。朝から熱量高く、感動の瞬間を共有したいと思っています!」とエールが送られ、スピーチの場へと移りました。

 

◆“1分間”に凝縮されたママ人財のキャリアと意欲

過去最大の登壇者(29名)となった今回のスピーチステージは、多様なキャリアと実績を兼ね備えた女性たちの熱意が画面を通じて伝わるものでした。

 

食品メーカーの店舗営業でお客様好評1位を獲得、年間売上を約1千万円増加することに寄与した女性、メキシコの日系国際物流企業にてインサイドセールスに従事し新規物流ルートを任された女性、海外大学卒業後、大手英会話スクールに入社後広告を担当、高い達成率に与えられる広告賞を計10回受賞した女性など、幅広い経験と高いスキルを持ったママたちがオンラインでスピーチに臨みました。

 

その時間、わずか1分

 

この1分に向け、約3か月前からリカレント講座(キャリアを振り返るためのセミナーなど)やスピーチ練習を繰り返してきたママたちの表情は緊張感と充実感にあふれており、いずれも“もう一度働きたい”という想いが詰まったものでした。


スピーチでは、その実績と合わせて「子育て期間中の学び」についても触れられました。中学校でこころの相談員として別室登校の子どもたちと向き合い、学校行事や受験に向けてサポートを行ってきた女性、フリーランスに転向しデジタルハリウッド福岡校でWebデザインを習得した女性、さまざまな資格取得やPTA・地域の活動を通じて多くを学んだ女性など……。子育て期間はブランクではなく、一歩踏み出すための準備期間であることを訴える姿が印象的でした。全員のスピーチ終了後、応援団長の村岡氏から次のようなメッセージをいただきました。

 

「本日のイベントは、途中でお子さまの声も入るなどあたたかく、応援する空気に満ちたものでした。コロナ禍における社会変化は僕自身も苦しいことがあった一方で、オンラインによる新しい拡がりやご縁の繋がり、その先に希望を感じました」「これからは住んでいる場所だけでなく県境を超えて“九州というひとつの島で働く”という感覚を感じていただけたならば、みなさんのスキルを活かす場所ももっと広がるのではないでしょうか。視座を上げ、九州を上から眺めると、少しワクワクする気持ちになりますね」「1,300万人が住んでいる九州という島を国として捉えると、世界第29位のノルウェー並みの経済規模(約45兆円のGDP)があります。参加者のみなさんはオンラインスキルを、企業側がテレワークのワークスキルを提供できるならば、九州の未来は必ず明るく開けるだろうと思います」と力強く語ってくださいました。

 

「ママドラフト会議®は多様性」とのご講評もいただき、第1部(スピーチステージ)は終了。参加者と参加企業の交流会に場を移しました。

 

◆エントリーから採用までの流れ

今回は、説明会~ママドラフト会議®当日~企業との出会いまでを全てオンラインでサポートしております。その結果、ママドラフト会議®実施の2日後に内定が決まる参加者もいるほどスピーディーな展開に! オンラインならでは、また今後の可能性を感じることとなりました。(通常はリアルで、再就職準備に向けたリカレント「ママボランチ講座」を受講~自己PRワークへの取組~個別のキャリア面談~リハーサル、そして登壇となります。交流会後は、企業からの「ぜひ応募して欲しい」というアンケート結果をオファーとして参加女性達にお届け。そちらを受けて、希望する企業へのエントリー等正式な就職活動がスタートします)

 

◆開催データ「ママドラフト会議® for KYUSHU Island」

日時:2021年1月26日(火)

【第1部:参加者によるスピーチ】10:00~11:00 

【第2部:参加企業×参加者による交流会】11:00~12:30

 

協賛:LinkedIn Japan
後援:九州経済産業局/ 福岡県/ 福岡市/ 福津市/ 佐世保市/ 熊本県/ 大分県/ 宮崎県/

いちき串木野市/ 福岡県ベンチャービジネス支援協議会/ 福岡地域戦略推進協議会 
協力:株式会社一平ホールディングス/ 九州アイランドワーク株式会社/ 株式会社MANABICIA

 

【参加者】

<Zoom会場>

登壇者数:29(31)名、参加企業数:20(23)社・24名、応援団・コンシェルジュ参加者数:11名、事務局スタッフ数:6名 ゲスト&協賛企業:3名 

実参加者数合計:73名 ※( )内は参加予定数

 

<YouTube会場>

YouTubeでのオンラインオブザーブ:40名

 

◆プロジェクト全体の流れ・及びリカレント教育に関して

本プロジェクトは、下記の流れで展開されました。

 

【プロジェクト全体の流れ】

2020年10~11月:事前説明会 
※延べ76名の女性が参加

 

2020年11月:「ママボランチ®育成講座」 
※オンデマンド講座への参加

<内容>家族も仕事も大切にする、両立スキルやマインドセットを 30分講座× 2回×3テーマにわたり実施

 

2020月12月:「魅力120%UP講座」

<内容>講座での学びを活かして、企業に自分の強みをアピールできる履歴書・自己PR文を作成

 

・スピーチ練習①

<内容>登壇者が担当のキャリアコンシェルジュ、ママワークスタッフ、リンクトイン・ジャパン様と共にリハーサル~フィードバック実施。それらを通じて本番や面接に役立つヒントを得る。

 

2021年1月:・スピーチ練習②

<内容>スピーチ練習①を踏まえた内容を同じ方法にて実施。本番当日に向け、オンライン操作も細かくサポート

・ママドラフト会議®実施(スピーチステージ、企業との交流会)

 

リカレント教育では「短時間勤務のスタートであっても、新たな仕事や組織貢献への高い意欲と責任感」「これまでのキャリア・経験をベースに、もう一度仕事での活躍を目指す意欲・覚悟」の醸成に重きを置いております。一般的にママ人財は、過去の職務経験に加え、家庭での子育て経験は仕事をしていく上でも貴重な体験であるにも関わらず、そのブランクに加えて時間的な制限に多くの不安を抱えているからです。

 

もう一度自身のことを振り返ってもらい、何ができるのか、何が得意なのか、これからどんな人生を歩みたいのか……、などを考える時間を取ります。これらは、マンツーマンでママ応援団やキャリアコンシェルジュが伴走することで明確になっていき、女性たちは自信を取り戻していきます。キャリア概要として言語化し、ママ応援団やママワークスタッフなど複数人によってブラッシュアップされ、ママドラフト会議®参加後は希望に満ちた姿で、企業とのマッチングやインターンシップに向かうのです。“もう一度私らしく働きたい=そのためには努力を惜しまない”というこの姿こそが、就業後も企業に貢献するものと思われます。

 

◆ママドラフト会議®のこれまでとこれから

開催数を重ねる中で気づかされるのは「再就職に不安を抱え、一歩を踏み出すことができなかったママ人財はまだまだたくさんいる」ということ。加えて今回は、緊急事態宣言下による外出自粛に始まり、一般的な就職活動が通用しないなど誰も経験したことのない未曾有の事態となりました。今回、本プロジェクトの事前説明会に参加してくれた女性は76名。予期せぬテレワークの広がりを受け、これまで「テレワークは一部の限られたスキル等を持つ人だけのもの」から「私にもできるかも」「今だからこそ挑戦してみたい」と言った前向きなマインドの変化に繋がった結果だと受け止めております。

 

その一方で、通勤時間の短い九州では、首都圏と比べてテレワークの導入が進んでいません。本イベントに今回、以前もご参加くださったデジタル機器の製造・販売を展開するスリー・アールシステム株式会社(福岡市)の代表者さまは、TV局の取材に対し「九州の優秀な女性人財を(ママドラフト会議®などを通じて)全て弊社で採用したい」と強く語ってくださったほど、眠れる力こと女性人財は、九州に溢れています。子育て期の潜在就労女性の数は、九州7県で約14万人とも言われ、「もう一度働きたい」意欲ある女性達を、地域経済に繋ぐ場としての価値はこれから先も高まると考えています。これまでの参加企業数は381社、登壇女性の総数は127名になり、かつての登壇者が企業側として参加してくださったことも何回かあります。少しずつ、そして着実に実績を積んでいる「ママドラフト会議®」の今後の展開にご注目ください。

 

 

◆開催実施後のアンケートより

今回の参加企業・参加者のみなさまにアンケートを実施しました。

 

参加企業からは
「意欲的で優秀な方が多く、弊社でぜひ採用をしたいという方が数名いらっしゃ
った」
「大変良い企画でまた次回が楽しみ。もう少しゆっくり質問などが出来たら更に良い気がする」
「熊本や宮崎、鹿児島からのご参加者もおり、リモートに多くの可能性を感じた」
など、気づきや発見を得られる機会に繋がり、次回開催への期待も高まるコメントが多く寄せられま
した。

併せて
「事前に求職者の方の質問内容が分かっていればより簡潔にお答えし時間を有意義
に使えたのかもしれない」
「企業側の魅力を伝える時間が短く、どんな会社かを伝えきれません
でした。会社の任意で参加者の方向けに事前にプレゼンテーション動画などを提供させて頂きたい」
といったご提案もいただきました。

参加者からは、
「何をどうしていいかわからないと思っていたが一歩が踏み出せた」
「今まで就
職活動は個人戦の様に感じていたがチームで取り組める雰囲気でやる気になった」
「色んな企業
とお話が出来て、改めてブランクがあっても再就職を考えれるようになった」
「ママと言う事だ
けで認めてもらえたような雰囲気が嬉しかったし、自分では探せないような企業と巡り合えた」
という前向きなコメントが寄せられました。

 

また
「育児期間にコロナ禍での孤独な時間を離れ、新しいツールで新しい出会いを体験できた。新しい生活様式で働くことを視野に入れ、実践的に体感できた」
「コロナ禍で外出がままならない中、全てオンラインのイベントかつリモートワークを中心とした求人なのが良かった」
といった今ならではのニーズを充足できたコメントも目立ちました。

 

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ワクチンの接種が始まりましたが、働き方を取り巻く環境は以前に戻ることはなさそうです。こんな時代だからこそ取り組んだ初のオンライン就労支援プログラムにおいて、沢山の試行錯誤にご一緒頂いた参加者みなさまのチャレンジとご協力に深く感謝します。

 

オンラインだからこそ、広がるチャンスなど、新たな就労支援の可能性を感じる機会ともなりました。アフターコロナに向けた新たな形をこれからも追及していきたいと考えています。本イベントを通じて参加女性・企業の皆様とこの先に向けての就労支援を考えられたことに、改めて御礼申し上げます。

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