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連載「子育てBIZコラム」 子育てと部下育成のコツはまったく同じ

「子育てって、仕事に役立つスキルが磨かれるって本当?」
そんな疑問を持ったことはありませんか。
実は、親が日々子どもを育てる中で身につける力は、キャリア形成にもつながるスキルがたくさんあります。
子育て期だからこそ得られるビジネススキル。
今回、パパ×企業コンサルの立場からもその力を体感している、ともにメンバーの中倉さんによる、コラムがスタート。
その名も「子育てBIZコラム
第2話は「 子育てと部下育成のコツはまったく同じ」
「子育て」と「部下育成」、別の世界だと思っていませんか?
でも実は、根っこの部分では驚くほど共通点があるのです。


 

 子育てと職場での部下育成は、全然関係ないと思われるかもしれませんが、根本的な部分では多くの共通点があります。私は、以前に出版した拙著双子を東大に入れた父が教える、頭のいい子の育て方で、子育てで大事な3つのキーワードとして、「安心感」「好奇心」「自己肯定感」を挙げました。ここでは、この3つを切り口にして考えてみましょう。

 

 

 まずは、「安心感を与えること」です。子育てにおいて、子どもが安心して生活することは、一番大事なことだと思います。子どもは大人に比べて、体も小さく知識も不足しています。そのため、親が見ていてくれる、困ったら親が助けてくれる、失敗しても怒られない、という安心感があればこそ、子どもは思いっきりやりたいことに取り組むことができます。逆に不安を感じる子どもは、興味を持っても新しいことに臆病になり、やりたいことができずにあきらめてしまいます。

 

 職場においても同様で、自分の意見を上司がちゃんと聞いてくれる、困ったらサポートしてくれる、という安心感があればこそ、部下は積極的にやりたいことにチャレンジできます。最近ではビジネスでも「心理的安全性」という言葉が注目されていて、心理的安全性の高い職場作りとか、心理的安全性の高い会議運営が求められています。そして、部下が安心感を持って業務遂行できる、そのようなチームが高いパフォーマンスを上げることが分かっています。

 

 

 次に「好奇心を潰さないこと」です。子どもの好奇心を潰さないことも大事なことです。幼児であれば、道ばたの石や葉っぱにも興味を示します。忙しいパパ・ママは「何やってるの、早く行くよ」と子どもの手を引くと、だいたい子どもは泣き出します。子どもは「丸くてきれいな石!」「なんでこんな色なのかな?」などと自分なりに考えて、「いいものを見つけた」と嬉しいはずです。それを無視されると悲しくなって泣き出します。そういう時は、3分間だけ待って見守ってあげた方が、結果的に早く歩き出します。小中学生になっても好奇心は大事なので、子どもが突飛なことを言っても頭ごなしに否定するのではなく、なぜそう考えたのかよく話を聴くことが大切です。

 

 職場においても同様で、優秀な部下ほど好奇心が旺盛で、世の中に対するアンテナが高く、新たなことを提案したり、挑戦しようと考えます。上司としては、どんな意見でも否定・非難しないで、まずはよく話を聴いて共感し、前向きな姿勢で質問して、本人に考えさせることが大事だと思います。そうすることで、部下の仕事に対するモチベーションも向上します。

 

 

 そして「自己肯定感を上げること」です。これを伸ばすには「ほめて育てる」ことです。子育てでは、近年ほめて育てることが注目され、賛否両論ありますが、これは子どもを甘やかすという意味ではありません。社会生活上いけないことは、その理由をよく説明して、理解させてやめさせます。親としては、常にほめられそうなことを見つける意識を持って子どもに接し、具体的にほめ言葉をかけます。そうすることで、子どもは「やればできる!」という自信を持ち、また新たなことに挑戦しようとします。そして、実際にできるようになります。

 

 職場においても、部下に対して同様のことが言えます。管理職研修の中で、部下に言うほめ言葉をなるべく多く洗い出すワークなどもやります。会社員経験のある人は新人の頃、上司からほめられるとうれしい気持ちになり、仕事に対するモチベーションが上がったのではないでしょうか。最近は、日本経済が長年停滞している中で、成功体験や達成感を持つ機会が少なく、自己肯定感の低い大人が増えていると言われています。そういう面でも、上司が部下をほめて自己肯定感を上げることは、非常に重要なことだと思います。

 

 

 最後に付け加えると、子育てでは「放任」「過保護」はもちろん、「過干渉」も良くないと言われます。親が子どもに対してこまごまと口を出すと、子どもはかえって反発し、やる気をなくします。親は細かいことに口出しするのではなく、「見守ること」が大事です。これは職場の上司にも言えることで、細かいことに口出しする過干渉を「マイクロマネジメント」と言い、そういう上司の言動は部下の自主性や創造性を下げてしまいます。

 

 以上のようなことから、子育て経験のある人は、実は部下育成のコツを身に付けていて、会社では管理職としても活躍できるのではないかと思います。

執筆者 中倉誠二

 

 

<プロフィール>

 

中倉ビジネスコンサルティング代表。会社員時代に双子を育てた自身の仕事と家庭の両立経験を活かしながら、企業の働き方改革を進めるために、研修やコンサルティング活動を行っている。中小企業診断士、(株)ワーク・ライフバランス認定上級コンサルタント、NPO法人ファザーリング・ジャパン賛助会員。

 

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